千手観音は正式には「千手千眼観世音菩薩」。千という文字は具体的な数ではなく、無量無辺を意味していますから、人々のあらゆる願いを叶え、生きとし生きるものすべてを悩みから救ってくれる慈悲の仏さまで、別名「大悲菩薩」とも呼ばれています。両脇からでている脇手は大願を成就させる法力をもち、それぞれの持物(じもつ)は、人々の願いを叶えるための道具。また、仏さまが膝の上に組んでいるのは「禅定印(ぜんじょういん)で悟りをひらいたときの手。そして胸の前で合掌している手が、礼拝する人の心を受けとめ、願いを受けいれ、脇手に法力を発揮させる千手観音の中心となる手です。 |